血のめぐりが大切な理由と、
座りっぱなしを避けるべき理由

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「座りっぱなし症候群」の原因のひとつは「血のめぐりの悪化」であると述べましたが、血のめぐりと健康はどういう関係なのでしょうか。また、座りっぱなしが与える影響とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

「静脈」の流れの善し悪しが健康を左右する

血管の種類は、動脈、静脈、毛細血管の3種類。そのうち、二酸化炭素や老廃物を回収して、送りだされた血液を心臓に戻す役割を果たすのが「静脈」です。体内の血液の多くは「静脈血」として各臓器にプールされたり循環しており、その量は、動脈に流れている分量の4倍とも言われます。ゆえに、静脈の流れが健康のカギを握っていると言ってもいいでしょう。

座りっぱなしは静脈還流を滞らせる

デスクワークをしていると、膝を折り曲げ、椅子に膝の後ろ側が圧迫された状態になります。こうなると、膝の後ろ側を流れる静脈の血流が悪くなり、余分な水分や老廃物は静脈やリンパ管に回収されにくくなります。そもそも、血液は重力の影響によって下半身に滞りやすくなっていますので、結果として、水分や老廃物がむくみとなって、特に足やふくらはぎに溜まってしまうのです。

調査事例

ニュージーランドで行われた調査(※)によると、同じ体勢で90分以上座り続けていると、膝の後ろに流れている静脈血流は50%も減少し、昼食もデスクでとり続けると血栓発症のリスクは2.2倍になるという結果が出ています。

(※) 出典:Aviat Space Environ Med; 75:500-504, 2004
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2144533/Lunchtime-heath-risk-How-quick-sandwich-desk-double-risk-DVT.html