イオン飲料が水分補給に適する理由

illust10

「座りっぱなし症候群」の予防として水分補給が大事であることは分かりましたが、何を飲むことが良いのでしょうか。お茶やコーヒーでは、利尿作用のあるカフェインが含まれるので適さない一方、イオン飲料が適していることをご説明します。

1.ミネラルウォーターよりも体に残る!

前述のとおり、水分補給が体液として残るには「電解質」が必要です。

イオン飲料と水とを比較したとき、イオン飲料のほうが尿として排出される量が少なく、長時間体に留まり続けることが分かっています。

つまり、イオン飲料は水よりも座りっぱなしの際に適した飲み物といえます。

座位開始から2時間目の排尿量と飲料貯溜率

evidence1
出典:Aviat Space Environ Med 2004; 75: 500-504を改変

2.血液がドロドロにならない!

血液(血漿)の量を維持することは、飛行機内でおこるエコノミークラス症候群のリスクを避ける意味で重要です。ミネラルウォーターと比較してイオン飲料は、血漿量を維持することが分かっています。

また、血液粘度についても、イオン飲料の場合は飲んだ後3時間後まで変化しないという結果となりました。つまり、血をサラサラに保つためにイオン飲料は有効と考えられます。

座位安静中の血漿量と血液粘度の変化

evidence2
Doi T., et al. Aviat Space Environ Med, 2004