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オフィスでできる簡単リフレッシュ法

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血のめぐりを良くするには、ときどき足を動かすようにしましょう。ここでは、当委員会の委員であり国際ヨガ協会師範代である長田一美先生による、座ったままできる簡単なリフレッシュ法をご紹介します。

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長田一美 (おさだ・うつみ) NPO法人国際ヨガ協会師範代

1949年2月10日生まれ。NPO法人国際ヨガ協会師範代。バッチ財団登録プラクティショナー。

インド・スワミ・ヴィヴェカナンダ・ヨーガ研究財団(sVYASA)ヨガ療法士養成講座修了。

現在、読売・日本テレビ文化センター恵比寿、川崎ほか8つの教室で指導を行う。自治体主催の講座も開いている

著書に「実年齢を信じてもらえないほどきれいな人になる方法」(ブルーロータスパブリッシング)など。

脚裏伸ばし

イスの前のほうに腰掛け、両手でイスの横を持っておきます。両足を揃えて脚を前に伸ばします。 息を吐きながら、足先を手前に引いて、アキレス腱を伸ばし、吸いながら背中を頭頂までまっすぐ伸ばします。できるだけゆったりと息を吐きながら、脚裏に心地よい痛みがあるところまで上体を前傾します。吐き切ったら、吸いながら上体を中ほどまで戻します。もう一度息を吐きながら、前に。同様にもう一度(計3回)。

イスでのねじりのポーズ

浅く腰掛けて、右脚を上にして組みます。左手で右膝、右手はイスの背もたれを持ちます。息を吸いながら背筋を頭頂まで伸ばして、ゆったりと吐きながら視線を右に回し、顔、首、肩と、体を上から下へ続いて回してゆきます。視線 はできるだけ横に回してください。すっかり息を吐き切ったらサッと吸いながら体を戻します。あと2回繰り返します(計3回)。左回転も、左脚を上に組んで同様に3回。

目から頭のクリーンアップ

両手を温かく感じて汗ばむくらいこすり合わせます。息を吐きながら、手の平の中央に目を当てます。ゆったりとした呼吸で5回くらい、手の平からエネルギーが眼球に送り込まれることをイメージしてください。気分によって数回繰り返してもよいでしょう。

長田先生よりコメント

体液や老廃物の巡りを良くするためには、リンパの流れを意識してみましょう。オフィスで簡単にできるストレッチをするだけでも、体全体を動かせばリンパの流れは良くなります。デスクワークが主で、なかなか体を動かすきっかけがない方なら、ただ深い呼吸を心掛けるだけでも違ってきます。一心に働いていると、息が止まっていたり、口で呼吸をしている人が案外多いんですよ。

ヨガを習いに来る女性たちの多くは、肩こりや便秘に悩まされています。どんなに良い姿勢で座っていたとしても、動かなければ体は固まってしまうんですね。

もう一つ大事なことは心の持ち様です。夜寝る前は一日の反省が頭をよぎる、という人は多いはずです。でも反省ばかりしていては重たい気分になり、良質の睡眠は得られません。一日の締めくくりは気分良くありたいもの。自分を責めたり叱ったりするのではなく、優しくいたわってあげましょう。常にポジティブ思考を持ち、自分自身を大切に。

実態③ 座りっぱなしを避ける
工夫が不足

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 オフィスワーク中にどのようなタイミングで立ち上がるかを聞いたところ、「お手洗い」(89.3%)で最多で、「昼食」(74.5%)、「コピーやFAX」(65.7%)と続くものの、それ以外は半数以下となっており、立ち上がるタイミングはそれほど多くない様子がうかがえます。

座りっぱなしにならないための工夫としては、「足首を伸ばしたり回したりしている」(33.0%)が最多ですが、「特に何もしていない」も3人に1人(32.2%)に上っています。

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このことから、「座りっぱなし症候群」への認識が薄いためか、対策が積極的に行われていないことがうかがえます。

イオン飲料が水分補給に適する理由

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「座りっぱなし症候群」の予防として水分補給が大事であることは分かりましたが、何を飲むことが良いのでしょうか。お茶やコーヒーでは、利尿作用のあるカフェインが含まれるので適さない一方、イオン飲料が適していることをご説明します。

1.ミネラルウォーターよりも体に残る!

前述のとおり、水分補給が体液として残るには「電解質」が必要です。

イオン飲料と水とを比較したとき、イオン飲料のほうが尿として排出される量が少なく、長時間体に留まり続けることが分かっています。

つまり、イオン飲料は水よりも座りっぱなしの際に適した飲み物といえます。

座位開始から2時間目の排尿量と飲料貯溜率

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出典:Aviat Space Environ Med 2004; 75: 500-504を改変

2.血液がドロドロにならない!

血液(血漿)の量を維持することは、飛行機内でおこるエコノミークラス症候群のリスクを避ける意味で重要です。ミネラルウォーターと比較してイオン飲料は、血漿量を維持することが分かっています。

また、血液粘度についても、イオン飲料の場合は飲んだ後3時間後まで変化しないという結果となりました。つまり、血をサラサラに保つためにイオン飲料は有効と考えられます。

座位安静中の血漿量と血液粘度の変化

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Doi T., et al. Aviat Space Environ Med, 2004